シダなのにコケみたいな前葉体(配偶体)
前葉体(読み方:ぜんようたい)
胞子体と前葉体
シダ植物は種子ではなく、胞子による繁殖をおこなう植物になります。
普段目にするシダ植物は胞子体とよばれます。
胞子から胞子体になる過程に前葉体(配偶体)と呼ばれる状態があります。
サイズが小さいのでシダの子供に思えますが前葉体は前葉体で大人の植物になります。
シダ植物は胞子体と前葉体を交互に繰り返し世代交代を行っています。
胞子体が胞子を作り、胞子が前葉体となり受精したものが新たな胞子体となります。
胞子体→胞子→発芽→前葉体→受精→胞子体→……….
基本的な前葉体はハート形の形状をしています。どれもサイズは小さく1cm程度の大きさをしています。
一部コケシノブ科などのシダ植物はリボン状の形状をしています。
コケ植物もシダ植物と同じように胞子体と前葉体を持ちますがそれぞれが独立をしない点で分別されます。
また、シダ植物の胞子体は維管束を持ちますがコケ植物は胞子体でも維管束を持ちません。
前葉体(配偶体)の特徴
- 大きさは1cm程度でハート形
- 前葉体の状態は有性世代(胞子体は無性世代)
- THEシダといった一般的なシダは雌雄同体、クラマゴケやスギナの仲間などは雌雄異体
- 造卵器(卵子)、造精器(精子)を持つ
- 受精し、胞子体が育つと前葉体は枯れる
備考
一般的に前葉体が受精するには水分が必要になってきます。
そのため、人工的に胞子培養を行う場合は霧吹きしたり、一時的な水没を行うのが一般的です。