水苔は保水性がとても高く湿度100%を要求するようなコケシノブの仲間にはもってこいの用土になります。
しかし、デメリットとして朽ちるように劣化していくことがあげられます。肥料を与え出すとなおさらです。
一般的な植物は用土劣化と共に植え替えば問題ありませんがコケシノブの仲間だとそうもいきません。
1,2年とかけて育つような植物になりますのでコロコロと植替えすると、また一から育て直しになる可能性があります。
一方、赤玉土は団粒構造をしているため、水苔に比べて用土の劣化は緩やかです。
その代わり、団粒構造特有の用土間の隙間があり、鉢内で根が浮いてしまいます。
長くなりましたが今回は、長期栽培を視野に入れて水苔を使いつつ赤玉土に活着させる植え付け方を記述します。
(幹立ち=木立)
水苔と用土のメリットだけを欲した幹立ち系コケシノブの植え付け方
準備物
- コケシノブ本体
- 2~3号鉢(直径6~9cm)
- 用土(赤玉土小粒)
- 水苔
- 軽石
考え方
- 既存の根を活かし、水苔による保水性で現状確保
- 新しい根っこは赤玉土へ活着させる
今回のモデル:Trichomanes diversifrons
草地上部(葉っぱ)に対して下部の根っこが長く伸びていますね。
カットして整えたいところですが基本的にはお勧めしません。
根っこのハリなどで不要不必要の判断ができない限りはノータッチでお願いします。
切るメリットよりも切りすぎによるデメリットが大きいです。
植え付け手順
根を水苔で覆います
ここでは既存の根っこを保護します。
既存の根っこは新しく活着することはあまり期待できないです。
既存の根っこ部分を主に水苔で覆います。
水苔の保水性を活かし、既存根っこへ水分を供給します。
鉢に軽石を敷き詰めます
今回は軽石を使用。
腰水を行う際に水苔が最下層の場合、水苔の給水量が素晴らしいため少量の水で十分になる。
基本的に水苔が最下層状態での腰水は水苔の劣化が早まるため、推奨しない。
用土を被せます
最上位層に用土を被せます。
用土は必ず微塵抜きをしてください。ジメジメ環境や腰水などの多水環境の場合、用土の隙間がなくなってしまいます。
用土は株に安定感がでるまで被せてください。
基準値としては幹の3割は土中に収めるようにしましょう。
後述しますが幹の途中からは新規根っこが生えてきます。
そのため、新規根っこが素早く用土に活着するために少し幹を植えましょう。
根っこについて
幹中腹部に「半透明の黄色っぽい根っこ」が新しく伸びていることがわかります。
この根っこが今後の活力となりますので大切になさってください。
今回の方法は、現状の水分供給は既存の根っこから行い、将来的には赤玉土から供給していく算段です。参考になれば幸いです。
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既存の根っこがあまりない場合は赤玉土でサンドイッチにしてもいいかもしれません。
下記オブオブをサンドイッチにした際の記録です。